具体的に言うと、オリンピックが北京の老舗にもたらすビジネスチャンスは、主に次の面に現われる。

（１）老舗の国際的知名度が高まり、市場への影響力が強まる。「民族的であるほど世界的」。世界のさまざまな文化が接触する際、民族的な特徴はその国の文化的魅力をアピールする重要な要素となる。このため、中国の伝統的な商業文化の粋を代表する北京の老舗は、オリンピックの祭典において大いに異彩を放つことになる。政府の予測によると、北京五輪には各国の選手団、スタッフ、報道陣など約25万人が訪れる。老舗を通じて、世界の友人は中国式の消費を体験し、中国の食文化、中国医学の文化、装いの文化、民俗文化、建築文化を理解する。オリンピックは北京の老舗を含む中国企業に、大きなショーケースを提供すると言っていい。

（２）海外の客の消費嗜好への理解を深め、企業の革新に新たな原動力を与える。老舗の地域性は企業の特色形成の基礎であり、相応の歴史的・文化的背景がなければ、老舗の生命力もない。だがこれは決して、老舗は創業地でしか生きていけないという意味ではない。その反対に、国際化は老舗が成熟へ向かうための必然的な選択だ。広大で多元的な国際市場は、老舗の特色を一層際立たせ、十分大きな生存のスペースを提供してくれるからだ。

（３）需要の大幅増が見込まれ、さらに大きな資本蓄積のチャンスがもたらされる。本土色濃厚な老舗の商品、サービス、経営モデルは、海外の客にとって大きな魅力だ。オリンピックの間、世界各国の人々は北京での飲食、ショッピング、娯楽の際、マクドナルドやカルフールといった世界的企業だけでなく、相当数が中国本土の特色ある商品やサービスにも集まるだろう。これによって老舗商品への需要が拡大し、老舗に一層の利益がもたらされることは明らかだ。

「人民網日本語版」2008年6月18日