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WTOの自動車部品輸入紛争管理を再考
発信時間: 2008-07-23 | チャイナネット

外資系大手メーカーは中国での組み立て規模拡大を決定した時、一つの例外もなく、組み立てをサポートする国際的サプライヤーの中国市場進出を促進することを真っ先に検討した。ベンツの場合、外資系高級ブランドの中で中国現地化生産のスタートは最も遅かったが、Cクラス車の中国での生産開始に伴い、部品の現地調達率を徐々に高めてきた。

フォーインによると、ベンツが中国で調達する部品の半分以上は、傘下の国際的サプライヤーの中国生産拠点から調達したものだ。

こうした背景の下で、中国の自動車部品メーカーには最近「外資の独資による経営」の傾向がみられる。ある業界関係者は「最近、一部の自動車部品メーカーでは外資の持ち株比率が60%や70%に達していることに気づいた。中国の大型株主は小規模株主に変わってしまっている」と話す。

高級車の組み立てをサポートする主要部品メーカーの多くが外資系だ。たとえば天津トヨタの組み立て業務を請け負う天津トヨタ合成有限公司の出資比率をみると、トヨタ合成が85.9%、天津刹車管廠が9.1%だ。華晨BMWや北京ベンツの組み立て業務を行う貝内克・長順汽車内飾材料有限公司は、すでにコンチネンタルグループの一員だ。

前出の業界関係者は「WTOの判定はある国を対象にしたものではない。実際、中国の産業政策には一定の遺漏がある。考えるべきことは、市場の国際化と競争の激化に伴い、政策や管理規定を通じて保護作用を果たすことができなくなっているということだ。中外合弁方式に基づく自動車産業の発展がスタートしてから30年が経ち、総括すべき教訓は何かということを考える必要がある」と話す。

同関係者は、「現在、外資系自動車メーカーが中国での調達システムを強化していることは、『中国を離れても、外資系企業は中国市場で生き残ることができる』という一つの方針の現れだと分析し、また現在多くの合弁自動車メーカーが、外資側の車種全シリーズを中国に急ぎ導入しており、上海GMや上海VWなどの合弁企業はいずれも輸入車の販売業務を取り扱っている。外資系メーカーは合弁方式で中国に進出し、中国自動車産業の発展を全体として促進する役割を果たしている。だが時間が長くなると、アヘンのように、中国側に依存心が生じるだろう」と話す。自動車ジャーナリストの顔光明氏は「合弁自動車メーカーの歴史的使命はある程度果たされた。これは自動車産業がよく考えるべき点だ」と話す。

「人民網日本語版」2008年7月23日

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