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ドーハ・ラウンド交渉の「悲壮な失敗」
発信時間: 2008-07-31 | チャイナネット

世界貿易機関(WTO)多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の合意を目指して開かれていた閣僚会合は、9日間の交渉の末、決裂した。商務部の陳徳銘部長はこの結末を「悲壮な失敗」と形容した。決裂の直接的原因は、米国が農産品の緊急輸入制限措置(セーフガード)をめぐって譲歩しなかったことで、深層レベルの原因としては先進国と発展途上国との間の溝が挙げられる。

今回の交渉は21日に閣僚会合がスイス・ジュネーブで始まり、WTOの主要加盟国35カ国の代表が参加した。だが中心的テーマをめぐって主要加盟国間に対立が生じたため、23日からは米国、欧州連合(EU)、日本、オーストラリア、インド、ブラジル、中国の7カ国・地域に絞った少数国会合に切り替わった。25日にはラミー事務局長が会合の成果をとりまとめ、20項目からなる妥協案を提示したが、各方面は妥協案をめぐって合意に達することができず、29日に交渉は決裂した。

ドーハ・ラウンドのカギは農産品貿易にあり、特に次の3点が問題になっている。

(1)輸出補助金の問題。先進国が農産品の輸出に当たって拠出する各種補助金の削減問題。

(2)各国内における農産品生産への支援の撤廃問題。米国とEUは撤廃を了承した。

(3)市場参入の問題。会合に先立って、WTO加盟国は全体的な関税引き下げで合意し、段階的関税引き下げ方式を採用することが決まった。関税率が高い農産品ほど引き下げ幅が大きくなり、関税率の低い農産品は引き下げ幅が小さくなる。

交渉が進むにつれ、農産品の市場参入をめぐる先進国と発展途上国との対立が先鋭化した。発展途上国メンバー、特に発展途上の大国は、農業部門の就業人口の割合が高く、農産品の生産競争力が弱いことから、食糧の安全、生物の安全、農村の発展を保障するために、特殊な農産品や特別保障メカニズムを確立して、過度の、または予想外の農産品輸入が自国の農業に巨大な損失を与えることを回避したいと主張した。

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