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こうした多くの措置を取っただけでなく、メリルリンチは急遽バンク・オブ・アメリカへの身売りを決定した。ここには、リーマン・ブラザーズが買収されるか破産申請をした場合には、メリルリンチが次なるサブプライムの犠牲となることを避けたいとする心理が読みとれる。座して死を待つよりは、素早く行動を起こして高値で身売りしたいということだ。バンク・オブ・アメリカはメリルリンチ買収後、幅広い業務を手がけるメガバンクになる見込みで、業務範囲はクレジットカード、自動車ローン、債券・株式の代理販売、合併・買収(M&A)のコンサルティング、資産管理などの各分野に及び、米国の金融業界の局面を転換させることが予想される。バンク・オブ・アメリカは今年の初めにも、経営難に陥った金融企業カントリーワイド・フィナンシャルを買収している。
米金融業界には14日夜、新たな進展がみられた。米連邦準備制度理事会(FRB)が数項目の措置を発表し、金融機関が米中央銀行から金融融資を受けられるようになったのだ。また世界規模の銀行・証券会社10社の代表が、700億ドルの資金を経営難の企業に貸し出すプロジェクトを発表し、潜在的な信用リスクに対処する姿勢を示した。市場は米国の金融監督管理当局がさらなる救済措置を打ち出すかどうかに注目している。
「人民網日本語版」2008年9月16日
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