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中国社会科学院(社会科学アカデミー)金融研究所の易憲容研究員はこのほど、次のような分析結果を発表した。
中国の金融業、特に投資銀行などの金融業はトップ層の発達が不十分で初歩的な段階にあり、資本項目もまだ完全に開放されておらず、米連邦準備制度理事会(FRB)が経済の低迷やインフレ局面に直面して措置を取りにくい状況にあるのとは状況が異なる。実体経済の面からいえば、中国の貯蓄率は非常に高く、経済の低迷局面では需要を刺激することができ、状況を大きく転換できる余地がある。また中国経済自身に柔軟性があり、マクロ調整力が高いため、最近の金融問題の影響をそれほど深く受けることは考えられない。だが米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題の波及する範囲が広く、米国経済は今年不況に陥る可能性もあり、ひいては中国の対外貿易情勢に影響を与える可能性もある。
サブプライム問題の根元は2001年9月11日に発生した同時多発テロ以降の米国の不動産バブルにある。バブルはサブプライム問題発生まで5年間続き、多くの地域で不動産価格が2倍以上に跳ね上がった、不動産バブルはナスダック市場のバブルをもたらし、テロ事件後の米国経済は繁栄に向かい、金融市場の活力や各業界の利益水準が大いに高まった。だが不動産価格の急速な上昇や不動産バブルは長くは続かないもので、バブルが崩壊すると、あらゆる問題点が白日の下にさらけ出されることになった。
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