(3)帰国も視野に
ウォール街で大量の失業者が出ている時、中国の一部の金融機関がそこに目をつけた。この機会に乗じて、優秀な人材を取り込もうというのだ。あるファンド企業のトップは、「ウォール街の一部の華人と接触し、彼らが帰国の衝動にかられているのを感じた。が、その一方で心配も多いようだ。第一に、賃金の問題。(本人の希望と)格差が大きければ受け入れられないだろう。第二に、帰国後に実力を発揮する場所があるかを心配している。国内の金融機関はウォール街の水準と比べれば大きな開きがあるため、帰国後に長所が発揮できなければ、数年後には国際金融形勢の変化に追いつけなくなる恐れがある」と指摘する。
田さんも現在、帰国を視野に入れて検討し始めたが、内心ではいろいろな計算をめぐらせている。MBA新卒者の年収はウォール街で10万ドルだが、給料が収入全体に占める割合は半分にもならない。経歴が3年あるMBAのボーナスはピークの時で40~50万ドルあった。ウォール街での給料自体は今でもそれほど下がってはいないが、ボーナスが減った。帰国となると、収入格差が広がるが、米国で今後も仕事が見つからなければ、生計も危うくなる。数年の留学生活で、貯金も使い果たした。国内の給料が納得のいくものなら、帰国を考えてもいいという。知り合いの紹介で、国内のあるファンド企業のトップが10月に米国に赴く際に、田さんと面談することになっているという。
「人民網日本語版」 2008年09月27日
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