ホーム>>経済>>視点
農業の安全にとって脅威となる外資の独占
発信時間: 2008-10-24 | チャイナネット
(2)価格設定でも独占
 スーパーマーケットに行ってみると、棚の上には各種メーカーのさまざまなブランドの食用油がずらりと並ぶが、これらのブランドが外資に「操縦」されていることを知る人は少ない。

 海外大手企業による独占が、中国の食用油に関する戦略・安全を現実に脅かしている。現在、世界の穀物取引量の80%と中国油脂市場における原料・加工と食用油供給との75%を、百年の歴史をもつ四大穀物メジャー「ABCD」――Aはアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、Bはバンジ、Cはカーギ、Dはルイ・ドレフュス――の4社が独占している。また国際穀物メジャーは中国にある大型油脂メーカー97社のうち64社に出資しており、株式総数の66%を保有している。食用油加工企業上位10社のうち、年間生産量が150万トンを超えるのは益海、嘉里、中糧の3社で、このうち益海と嘉里は
いずれもマレーシアの豊益国際の企業グループに属する外資系企業だ。嘉里は「金竜魚」「胡姫花」「花旗食用油」などのブランド製品を、益海は株式出資して「魯花」などのブランド製品の製造を手がける。中国食用油市場では金竜魚、福臨門、魯花の三大ブランドがシェアの70%を占め、うち豊益嘉里関連企業がシェアの約50%を占めている。また中糧関連企業の食用植物油の主な輸入元は、米国のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドだ。国際大手は資本、歴史、経験などでの強みをもとに、川上の原料や先物取引、川中の生産、加工、ブランドと、川下の市場ルート、供給などで絶対的な「統制権」をもっている。

 外資は原料の提供を独占しているほか、製品の価格設定でも独占状態にある。中糧集団の于旭波総裁は「現在、中国の食用油少量パッケージ製品の価格設定は外資に独占されている。米、小麦粉、油といった基本的な消費品市場において、ある企業のシェアが30~40%、さらには50%以上に達したとすれば、それは市場を独占していることになり、業界の健全な発展にとってマイナスだ」と話す。

 市場調査会社・エーシーニールセンが統計データに基づいて行った試算によると、現在、益海と嘉里が生産する金竜魚ブランドの食用油少量パッケージ製品と関連製品の市場シェアは、合わせて約50%に達するという。
     1   2   3   4    


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 農業の安全にとって脅威となる外資の独占

· 財政収入と税収低下し続け 中国は経済下降期に

· この30年の経済成長に影響を与えた重要な出来事

· 米国より高いガソリン価格 中国で値下げ議論

· 胡主席、「世界金融システムの安定を維持したい」