▽万博理念と中国要素ーー世界危機の中での万博開催、「新たなチャンス」に
上海万博に対する国際社会の高い注目度には理由がある。
「全世界で不確定な要素が充満している。この不確かさは人類の進化への挑戦や、発展持続という万博のテーマにピタリと合うものだ」。これは国際博覧会事務局(BIE)のラフォン議長が先月上海を訪れたときに述べた観点だ。
万博開催申請から今まで、一連の業務に係わってきたBIE中国代表の周漢民(上海万博事務局副局長)は異なる観点を挙げている。「春が来れば新芽を吹く木を、冬が来て落葉したからといって切り倒したりしないはずだ」と。1929年、米国で突発し1930年初めにかけてすべての資本主義国家を襲った世界恐慌の中で、1933年のシカゴ万博は、その経済不況を立て直すチャンスにあふれた盛典であった。この博覧会で初めてテーマ「進歩の一世紀」が設定され、また会期中の高い評価により、展覧期間が延期された。
今、1929年に継ぐ深刻な金融危機が世界を襲っている。では、2010年に開催される上海万博は、人々にとって「危機における一縷の希望」となる科学文化の盛典になり得るのか?
万博出展の決定を最後まで迷っていたアイスランドの展覧会総代表は「アイスランド政府は、上海万博への参加が、アイスランド経済を復興させる大きなチャンスとなることを希望している」と述べている。