金融危機による影響で世界経済の成長速度が鈍化しているのを受け、世界銀行のロバート・ゼーリック総裁は先日訪中し、金融危機および金融危機が中国経済に与える影響について探求した。ゼーリック総裁が訪中するのはこれで2回目。16日に開かれた北京大学国家発展研究院の学生との対話で、ゼーリック総裁は「現在中国が取り組んでいる緩い通貨政策と拡張的な財政政策は非常に聡明なものだ」と評価し、「これらのマクロ政策での経験を国際システムにも導入していってほしい」と述べた。
▽中国の内需刺激を歓迎
世界銀行はかつて、09年に中国の国内総生産(GDP)成長率は7.5%に達すると予測。これに対しゼーリック総裁は、「将来は非常に不確定なものだ。具体的なデータはそう重要ではない。重要なのは中国の経済成長に今後深刻な下降の圧力がかかると認識することだ。しかもこれらの不確定要素は中国政府が打ち出す合理的な経済政策で対抗できるものだ」と説明。次のように続けた。
現在中国が取り組む緩い通貨政策と拡張的な財政政策は非常に聡明なものだ。このマクロ政策の組み合わせは中国経済で注目に値する点のひとつだ。これらのマクロ政策の方面での経験を国際システムにも導入してもらいたい。世界の安定に向けて今中国ができる最も重要なことは、自国経済の良好な成長を維持することだ。中国の国際貿易も落ち込む状況下にあって、これはたやすいことではない。だからこそ政府が国内経済を刺激するために行った努力は歓迎され、将来的に非常に重要になってくる。
1997年のアジア金融危機をきっかけに各国はリスクを回避する力をつけようと外貨準備高を積み上げ、過剰な流動性を引き起した。この過剰な流動性が経済のバランスを崩しバブルを生んだ。中国経済は発展途上国の中で最も開放的だ。中国政府の政策を原動力とし、世界の経済体が後押しする中で中国経済は強大な障害を克服し、いち早く経済転換を実現できると信じて止まない。中国がいち早く消費型経済への転換を実現することに期待する。広義での消費は非常に幅広い概念をもち、中国では今後、教育・公衆衛生・医療などサービス消費が成長のポイントとなる。
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