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「TD-SCDMA」は海外規格に勝てるか?
発信時間: 2009-01-09 | チャイナネット

▽一般庶民に利益はあるか

 3Gライセンスの発給を前に、再編を終えたばかりの電信キャリアは早くもユーザー争奪の準備に入った。通信費の引き下げは各キャリアの打ち出す最大の武器となり、通信費を抑えたい消費者にとっては利益を見込める局面となっている。

 電信業界では話題の的となっていた3Gだが、その内容は一般庶民にはあまり知られていない。音声通話で始まった第一世代(1G)、ショートメッセージの送受信などが加わった第二世代(2G)と異なり、3Gでは音声とデータの通信速度が高まり、画像や音楽、動画などさまざまな情報を処理できる。ウェブサイトの閲覧や電話会議、電子商取引などのサービスも利用できるようになる。

 音声通話を主とする携帯電話の消費習慣にはまだ変化が訪れていない。モバイルインターネットを特徴とする3Gがどれほどの市場を持っているか。携帯電話のユーザーに通信費や便利さなどの点でどのような利益が出るのか。これらの話題は人々の注目の的となっている。

 中国聯通科技委の劉韻潔・主任によると、3G時代の通信費は2G時代を超えることはない。1Gや2Gの時代には、中国には技術特許がなく、国外の企業が中国から7500億元を超える収入を得ていた。中国が知財権を持つ「TD-SCDMA」が登場する3G時代には、特許使用料を省くことができるだけではなく、その他の規格を通したサービスの価格引き下げも促される。

 08年12月22日、中国電信は「189」で始まる3Gの電話番号を配り始めた。重慶電信が打ち出した毎月89元のセットサービスでは、毎月550分の区内通話や10時間のインターネット接続、3つの割引電話番号が利用できるほか、区外から区内への電話は1分0.2元でかけられる。

 中国移動も負けてはいない。広州と深センで1月8日午前8時から「188」で始まる電話番号を正式に配ることを発表した。広東移動は同時に、「188」で始まる電話番号を対象とした8大セット価格を発表した。月料金98元・168元・268元・388元・488元の5セットが利用できるほか、区内電話の超過分は1分0.29元となる。

 携帯電話を使ったインターネットサービスという新たな分野が開拓される魅力もある。中国の庶民の消費習慣に合った業務を開発することで、ユーザーに3Gの魅力を伝えることが必要だ。「音声通話以外の消費習慣を短期間で多くのユーザーに持ってもらうのは難しい。スタート地点から、普及とハイエンド化を目指した事業を進め、3Gの消費市場を少しずつ形成していかなければならない」と工業情報化部電信研究院の陳金橋・副総工程師は語る。

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