中国とインドとの経済協力の動力は、両国の人口規模や市場規模、経済構造がもたらす相互補完作用から来ている。両国の貿易関係は最初、完成品や半製品を中国から輸出し、一次産品をインドから輸入する形で発展してきた。だがここ数年、経済協力構造の着実なランクアップや相互投資の急速な成長、両国経済界の交流により、両国の経済・貿易分野での協力はバランスの取れた拡大を果たしてきた。中国からインドへの主要な輸出品は現在、電信設備や電力設備、有機化工製品や軽工業製品などにわたっている。中国の大企業によるインドへの直接投資も行われ、ソフトウェア開発大手のタタ社などインド企業も中国市場に進出している。
貿易規模の拡大とインドの対中赤字の増加に伴い、両国には経済摩擦も起こっている。08年第4四半期には特に深刻化し、インドが中国に対して取ったアンチダンピングの件数は07年通年に匹敵する規模となり、個々のケースがかかわる金額も大きく増加した。また、中国製品に対するインドの関税も高いままだ。その原因としては、中国市場経済の地位をインドがまだ完全に認めていないことや、国際経済情勢の悪化がインド国内の保護貿易主義を台頭させていることなどが考えられる。
「人民網日本語版」2009年1月19日
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