2.新均衡点を模索する原油価格、見通し不透明の穀物価格
米国の金融危機が次第に世界に拡散し、相次いで実体経済に打撃を与えていることから、今年の世界経済は大きく低迷すると見られる。こうしたなか、石油需要の伸びは著しく落ち込んでおり、数年間続いた世界の石油需給のアンバランスな状態は緩和されそうだが、石油輸出国機構(OPEC)は大幅な原油価格の下落を食い止めるために、生産制限による価格維持政策を打ち出す方針だ。また、金融危機が深刻さを増すなか、金融改革は進展せず、世界的な流動性収縮が起こり、商品先物取引市場に対する監督が強化されている。特に、100年1度といわれるウォール街の金融危機により、投資家の将来の金融および経済に対する期待に根本的な変化が起こり、投機的な動きは影響力を弱めることになりそうだ。国際原油価格は、大きな影響を及ぼす地政学リスクと切り離すことができないが、全体的には歴史的な高値から下落し、ニューヨークマーカンタイル取引所の原油先物取引商品であるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は、1バレルあたり60~80ドル前後で新たな均衡価格が成立するだろう。一方、穀物価格は今年上半期、低迷が続き、下半期も多くの不確定要素が内在しているため見通しは不透明といえる。
「チャイナネット」2009年1月22日
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