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農村を変貌させる中国の新農村建設政策
発信時間: 2009-02-16 | チャイナネット

インフラ建設が投資の重点に

嵐県は国家クラスの貧困県で、山西省の省都・太原市から西北にバスで約3時間のところにある。

私は小さいころからここで暮らしてきた。外で仕事をするようになってからも、毎年春節には里帰りして家族とともに過ごしてきた。貧困のせいで嵐県の村々の姿はどこも似たり寄ったりで、貧しく立ち遅れ、汚れて雑然としている、というのが長年来のお定まりの印象だった。08年の春節をここで迎え、北京に戻ったとき、こうした印象はなお強く焼きついていた。

1年の時を経て、ここの多くの村々の姿がこれほど大きく変わるとは思いもしなかった。

「中央政府が提起した新農村建設の目標は“生産を高め、暮らしを豊かにし、郷土の気風を改め、村を清潔にし、民主的な管理を行う”というもの。先ずはできることから始め、村の姿を一新させようと、各村のインフラを重点的に改善した。“村を清潔にする”のを実現する力は当面、農村が最も具えている能力だから」と嵐県の役人である劉愛民さんは言う。

嵐県統計局の資料によると、08年に嵐県政府は3300万元余の資金を調達し、新農村のインフラ建設を進めた。これは毎年の財政収入が1億元ほどというこの国家クラスの貧困県にとっては小さな額ではない。

プロジェクトは新農村のインフラ建設の各方面にわたった。資料によると、嵐県では1年間で27村に104キロの自動車道路を敷設し、村と村の道路開通率は91%以上となった。さらに農家が使うメタンガス設備を1210カ所につくったほか、飲料水工事を8カ所で行い、それまで飲み水に困っていた1万6700人の飲料水問題を解決。緑化された村は24、ゴミ捨て場は197カ所に設けられ、文化広場が2270㎡つくられ、設置された健康器材は24セット、11の村でスーパーが新開店した。全県の83%の村に固定電話が設置され、移動電話の信号は71%の村をカバー。一部の農家にはインターネットが通じ、いつでもオンラインで外の情報が得られるようになった。

新農村建設の中でも、村の外観の改善、居住環境の改善、農業生産レベルの向上を中心とした農村のインフラ建設は、ここ数年ずっと中国政府の投入ポイントであった。

農業部の資料によると、中央政府は農業・農村・農民の「三農」問題に的を絞った支出を増大し続け、中央政府が発表した内需刺激のための4兆元の投入リストには、農村における民生工事とインフラ工事の分が3700億元も組まれている。さらに、09年の中央1号文書でも農村のインフラ建設の増加が重ねて言明されている。

農村のインフラ建設に対する政府の投入は、いわゆる「四清四改」(4つの一掃と4つの改善)を中心としたものだ。すなわち、ゴミ、汚泥、路上障害物、積み上げ柴を一掃し、道路、水道、かまど、トイレを改善することであり、その目的は農村の生産・生活環境を大幅に改善することだ。

これらの投入は大きな成果をあげている。新農村建設が提起される1年前の04年には、中国の46%の村に水道が引かれておらず、6%の村にバスが通じておらず、9%の村に電話が通じておらず、ほとんどの村に衛生的なトイレがなく、糞便の無害化処理設備もなかった。だが今では、水道が導入されていない村は28%、バスが通じていない村は4%、電話が通じていない村は2%までそれぞれ下がった。また、衛生的なトイレのカバー率は76%に達し、37%の鎮にゴミ処理場が建てられた。

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