劉氏によると、現地の農民の収入源は2つあり、1つは農業栽培による収入、もう1つは労務提供による収入だ。農業栽培は固定的だが、その収入は少ない。労務提供による収入は農業栽培よりは高収入だが、その労務は固定しておらず、特に当面の金融危機という状況のもとでは多くの農民労働者が帰郷しており、その収入の道を失っている。
こうした状況に直面して、政府はさらに多くの資金を投入し、帰郷した農民労働者に就業の機会を創出し、技能訓練を展開しなければならないと言う劉氏は、「新農村建設は村の姿を変えるだけでなく、最も大切なのは農民を豊かにすることで、農民が豊かになれば自然に農村の発展を促すことになるが、今は農民の増収が大きな課題だ」と話す。
中国社会科学院研究員の陸学芸氏は、中国には都市と農村の格差が存在するだけでなく、農村と農村の間にも格差が存在すると言う。都市近郊や東部沿海の発展地域を農村と比べると、貧困地区の農村のインフラは脆く、公共事業の発展がひどく立ち遅れており、就学難や高額診療費、社会保障水準の低さなどの問題が突出している。特に農村の経済構造が合理的でなく、農業の経営方式が遅れていて、農民の収入増大が遅れ、社会主義の新農村建設の道を築くうえですでに主な制約となっている。
「幸い、中央政府がすでに農村貧困地区への投入を次第に増大し、農村のインフラ建設への投入については、09年の貧困地区への中央からの財政投入は東部沿海地区や都市近郊農村への投入を上回る可能性がある」と陸学芸氏は語っている。
「北京週報日本語版」 2009年2月16日
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