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6つのデータからみる中国の経済情勢 |
発信時間: 2009-03-09 | チャイナネット |
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(5)9500億元の財政赤字:経済成長に力点 政府活動報告によると、今年は財政赤字が約9500億元に上る見込みだ。これは中華人民共和国の60年の歴史の中で最高の赤字額であり、高い数字を記録した03年財政赤字の約3倍に相当する数字だ。ここから積極的な財政政策が効果を現し始めたこと、国が赤字を拡大し、資金を調達し、投資を増やして、経済成長の確保に全力を挙げていることがうかがえる。赤字額は1兆元に迫るが、これはリスクのコントロールが可能な数字だ。艾校長によると、一部の国の多額の負債や高いてこ比に比べて、中国政府の負債水準は低く、資産負債状況もより穏当であり、財政赤字にはなお一層の拡大の余地や資金繰りの余地があるという。 欧州連合(EU)の関連標準によると、赤字率(GDPに占める赤字の割合)は3%、債務率(GDPに占める国債残高の割合)は60%が警戒ラインとされる。9500億元の赤字は例年より規模が大きいが、赤字率は3%を下回り、債務率は約20%で、中国の総合的な国力で受け入れ可能な数字であり、全体としては安全だといえる。 (6)貸付金5兆元増加:経済発展に活力注入 金融は現代経済の中心であり、経済活動を流れる「血液」だ。政府活動報告では今年の広義マネーサプライ(M2)増加率を17%前後とし、新たに5兆元の貸付金を拠出することを提起する。これは過去最多の貸付金の年間拠出額になる。 貸付金の安定的増加は経済発展の重要な支えだ。過去約10年間の経験やデータをみると、貸付金を100元増やすと、55元超の投資が牽引され、GDPが約65元増加する。特に現在のような財政力が制約され、財政資金が一部の投資ニーズにしか対応できていない状況では、金融システムを通じて、特に銀行の貸付資金の投入を通じてその他の投資ニーズに対応することが必要になる。 中国人民銀行(中央銀行)がまとめたデータによると、今年の全国の貸付金新規増加額は、1月は1兆6千億元を超え、2月は高い増加率を維持し、これらの貸付金が実際に利用されるのに伴い、経済発展に向けて緩やかな通貨環境の土台が基本的にうち立てられた。 楊小平・全人代代表によると、今年は適度に緩和された通貨政策の実施一年目であり、政策の効果に期待が寄せられている。だが当今の情勢下では、通貨政策は引き締めてもいけないし、緩めすぎてもいけない。緩めすぎた場合、他国のように流動性の落とし穴にはまり、国の今後の発展に大きなマイナス影響を与える可能性がある。 「人民網日本語版」2009年3月9日 |
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