▽アジアの協力を呼びかける5つの主張
世界金融危機の一層の深まりにつれて、米国や欧州連合(EU)を含めた経済体の一部では保護貿易政策の実施が始まっている。温総理はこれに関連し、アジア各国の協力強化をめぐって次の5つの主張を行った。(1)経済・貿易面での協力を強化し、保護貿易主義に断固として反対する。自由貿易の促進を重視し、地域内貿易の規模を拡大する。(2)財政・金融面での協力を強化し、地域の金融の安定維持に努める。(3)投資協力を深め、地域経済の成長に対する投資の牽引作用を発揮させる。(4)グリーン協力を推進し、アジア経済の持続可能発展を促す。(5)国際事務での協力と協調を強化し、世界の平和・安定・繁栄を促進させる。これらの主張は、各国の政界要人の賛同とフォーラム参加者の共感を呼んだ。
ボアオアジアフォーラムのフィデル・ラモス理事長(フィリピン元大統領)は、「温総理の講演は、アジア経済の回復と持続的発展に向けて、戦略性と先見を備えたロードマップを描き出した」と語った。
中国商務部の易小准・副部長は、「いかなる保護貿易主義にも反対するはっきりとした政策を中国は持っている。保護貿易政策を中国が実施することはない。中国の指導者はすでに、投資障壁や貿易障壁を設けないという約束を行った。中国は今後、貿易の発展推進に尽力し、自由貿易の合理化を進める措置を取っていく」と述べた。
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