今年第1四半期(1ー3月)の各自動車市場の売上高は、北米市場が前年同期比38%減少し、日本市場も同30%減少した一方で、中国市場は同3.88%増加し、世界の自動車産業の新興国市場への傾斜がますます強まった。中国の自動車生産台数が1千万台の大台を突破すれば、中国自動車産業は「強く」なったといえるのだろうか。金融危機が完全には収まっていない状況の中で、中国自動車工業はどのようにすれば自動車強国との差を縮めることができるのだろうか。2009年の上海モーターショー開幕を間近に控え、上海市嘉定区で開催された第7回中国自動車革新フォーラムでは、業界関係者らがこれらの話題をめぐって熱い議論を繰り広げた。「国際金融報」が伝えた。
▽「大」イコール「強」ではない
業界新聞を発行する中国汽車報社の李慶文社長によると、米国の三大自動車メーカー(ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、クライスラー)が自動車業界に与えた啓示は、「大手はつぶれない」というこれまでの原則がうち破られたこと、大手はつぶれる可能性があるだけでなく、つぶれた後の影響が一層大きいとみられることーーなどだ。こうした現象から、中国自動車産業の規模を考える上で、これまでの発展概念をそのまま踏襲することはできないということがわかる。
中国自動車工程学会の付于武秘書長(事務局長)によると、中国自動車産業は生産台数が1千万台の規模に到達する可能性があるが、量は多くとも構造は弱いという欠点がある。たとえば、3年以内に中国自動車産業はコア部品が世界の先端レベルに到達できるだろうか。中国自動車産業の発展における優位点は、政府主導による産・学・研(産業界、高等教育機関、研究機関)の連携にある。企業と大学などの研究機関とが協力のレベルを深め、エンジンの制御、ギアボックス、設計標準のグレードアップといったコア技術面の難問を解決できれば、中国自動車産業が世界の自動車強国に追いつく日もそれほど遠くない。
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