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中国式「マーシャル・プラン」の実施は今がタイミングか?(1)
発信時間: 2009-04-28 | チャイナネット

                    中国社会科学院米国研究所 苑基栄博士

 

今、中国式「マーシャル・プラン」を実施するかどうかという論議があるが、中国が自身の発展の需要に基づいて、金融危機が蔓延する中、自らのグローバル経済戦略を広く切り開くチャンスを探し、この「マーシャル・プラン」を実施することは、一つの悪くない舞台でありルートだと考えている。

「マーシャル・プラン」は、米国が第二次世界大戦で被災した欧州諸国復興のために推進した復興援助計画で、提唱者である国務長官ジョージ・C・マーシャルの名前から「マーシャル・プラン」と呼ばれている。正式名は欧州復興計画。

強まる資金のニーズ

金融危機によって引き起こされた今の世界情勢は、「マーシャル・プラン」が実施された当時と非常によく似通っている。国際社会は普遍的に資金不足に直面し、資金のニーズが強まっているため、米国は中国にできるだけ米国債を購入して景気刺激案を維持するよう呼びかけた。ヒラリー・クリントン米国務長官が中国を訪問してアピールしたのがその証拠だ。

またヨーロッパやほかの経済体、特に新興経済国は金融危機の苦しみを味わっており、資金に対するニーズは非常に緊迫している。先進国の資金引き揚げによってハンガリー、ポーランド、リトアニア、エストニア、ラトビアなど、外国からの借款に深く依存している国は本位貨幣が下落して景気不況に陥っている。

国際通貨基金(IMF)は、資金不足でアジア金融システムの秩序を維持しようとする実力はない。そのため2月に行われた東南アジア諸国連合と日中韓(ASEANプラス3)財務相会議では、アセアン10カ国が中国、日本、韓国とともに外貨を融通する通貨交換協定の枠を1200億ドルに増やすことで合意した。

資金面で支援を実施

ラテン米国とロシアの情勢も楽観視できない。金融危機はすでに実体経済にマイナスの影響をもたらしており、多くの国の景気はすでに後退。こうした情況は中国が「マーシャル・プラン」実施に条件と可能性を提供している。

実際、中国は、すでに似たような措置を採り始めており、中国人民銀行(中央銀行)の胡暁煉副頭取によると、金融危機が発生してから中国と周辺国は、5800億元の3年間の双方向本位貨幣支払の手配を行い、また10+3(ASEAN10カ国と中国、日本、韓国)のメカニズムで、本地域の経済や金融安定のために資金面で支援している。

また総額1180億ドル双方向本位貨幣支払協定の中で、日本、韓国、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンと締結を結び、165億ドルの出資を承諾。中ロ間の250億ドルを3億トンの石油と交換する協議もその措置の一部だ。

「チャイナネット」 2009年4月28日

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