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鉄鉱石価格交渉で、増す中国企業のコスト圧力
発信時間: 2009-05-27 | チャイナネット

中国鋼鉄工業協会が恐れていた事態がついに起こった。鉱業資源大手のリオ・ティント社は26日、日本最大の鉄鋼会社である新日鉄と09年度の鉄鉱石価格について合意。粉状鉄鉱石の価格は前年度比32.9%の下落、かたまり状鉄鉱石の価格は同比44.7%の下落にとどまり、中国側が期待していた40%から45%の下落幅には及ばなかった。ブラジルのヴァーレ社と新日鉄による昨年2月の合意に続き、鉄鉱石価格の交渉で新日鉄が再び先手を取った。「国際金融報」が伝えた。

▽中国の鉄鋼会社にかかるコスト圧力

この協議結果に対し、鉄鉱石のサプライヤーはとても満足している。一方、中国鋼鉄工業協会や中国の鉄鋼会社にとっては受け入れがたい値段となった。中国鋼鉄工業協会は緊急会議を開き、対策を協議している。

新日鉄とリオ・ティントの合意した鉄鉱石価格は、現在の市場価格を大きく上回っており、中国の鉄鋼会社には大きなプレッシャーがかかる。中国の鉄鋼業は現在、全体的に赤字の状態にあり、特に大中型の製鋼所は大きなコストの圧力を抱えている。鉄鉱石現物の価格が再び上がれば、収益を上げる余地は非常に限られてくる。

▽中国側は協議を続けていくべきか

中国鋼鉄工業協会は鉄鉱石サプライヤーとの協議を続けていくべきなのだろうか。

安徽省の鉄鋼会社「馬鋼」の関係者は、「協議は続けていくべきだ。中国の輸入量は日本よりも多い」と語る。協議結果が要求を満たさなければ、中国側が同意することはない見込みだ。中国鋼鉄工業協会の羅氷生・常務副会長は、「日韓の鉄鋼会社が合意した鉄鉱石価格は理想的なものではなかったものの、中国側は今後も協議を続けていく」との立場を明らかにした。同協会の単尚華・秘書長は、「オーストラリアの鉄鉱石価格は45%下げ、ブラジルの鉄鉱石価格は40%下げるという最低条件を堅持する」との中国側の方針をはっきりと示している。

一方、民営鉄鋼会社の幹部は悲観的な見方を示している。中国鋼鉄工業協会は受け身の立場に置かれており、40%以上の下げ幅は期待しにくいという。中国鋼鉄工業協会がどのような道を選ぶか、まもなく答えが出る。

「人民網日本語版」2009年5月27日

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