今年7月末現在、中国株式市場の継続的な上昇を受けて、株取引口座の新規開設数が約70万口座に達して19カ月ぶりに記録を更新し、A株取引用の口座が初めて1億3千万口座を突破した。現在の株式市場の盛り上がりは、大衆の資産運用ブームの反映の一つだ。中国経済の急速な成長により、人々のポケットは膨らみ、投資への信頼感が高まり、経済観念にも変化が生じている。
資産運用の概念が人々の心に深く刻まれるにつれ、いかにして「資産で資産を生む」かが日々の生活における関心事になり、資産運用に向けた投資意欲がますますヒートアップしている。
▽大衆の資産運用ブーム
改革開放の初期、中国人が資産によって収入を得るには、預金をして雀の涙ほどの利息を受け取るしか方法がなかった。1980年代に入ると、国債の発行により少数の者が所得以外の利益を得るようになった。それから約10年後、上海・深セン両証券取引所の発足により、一部の株投資家が投資のうまみを味わうようになった。
実際、都市部住民の平均可処分所得は1978年の343元から、2008年は1万6千元に増加した。現在では少なからぬ一般人が投資や資産運用の能力を備えるようになり、投資商品がますます増え、資産運用を請け負う機関がますます充実し、投資や資産運用をスタートするよいきっかけになっている。
各大手銀行のファンド窓口が新たな人気投資先になりつつある。2007年末現在、ファンド投資用口座は9千万口座を超え、ファンドを世帯の最も中心的な金融資産と考える人の割合が25.4%に達した。2008年に国内で発売された資産運用商品の総額は、貯蓄額全体の約10%に相当する約3兆元に上った。このことは中国金融機関の資産運用商品市場が非常に活発になってきたことを物語る。
投資市場の活性化に伴い、資産運用による巨額の利益に魅力を感じる人が増えている。中国の先物取引額は2000年の1兆6千万元から2008年は65億6900万元に増加し、通年の固定資産投資は17兆元に達して前年比25.5%増加した。従来の預金のほかに、ファンド、債券、保険、先物、純金、不動産などさまざまな投資スタイルが出そろい、資産運用の新たな選択肢となっている。