中国株式市場は年初から現在までの間に約90%上昇したが、過去2週間には大暴落してA株市場はピーク時より約20%下落した。投資家からは「今回の暴落は株バブルの終わりではないか」との声が上がっている。こうした事態について、野村証券中国法人の孫明春チーフエコノミストは「中国の資産バブルはまだはじけていない」との見方を示す。「国際金融報」が伝えた。
孫チーフエコノミストによると、国内総生産(GDP)の実質的な伸び、消費者物価指数(CPI)の上昇、流動性の情況、政策環境、株式の時価総額の5要因を踏まえて、今回の大暴落と2007年10月から11月にかけての情況(当時の大暴落はその後1年あまりに及ぶ弱気市場の始まりだった)とを比べると、両者の経済的特徴には根本的に大きな違いがあることがわかる。孫チーフエコノミストは「こうした根本的な違いからわかることは、資産価格の上昇が現時点ではまだ終わらないであろうということだ」と述べる。
07年11月には経済は非常に力強く成長していたが、実質GDPは急激な低下のレールを進んだ。現在は経済の成長ぶりは弱々しいが、実質GDPは力強い反転上昇のレールを進んでいる。経済が力強く反転上昇すれば、企業の利益は今年下半期と来年で大幅に改善し、07年中期以降にみられた利益の伸びの急激な低下とは鮮明な対照をなすことになる。
07年11月にはCPI上昇率が前年同月比6.9%に上り、11年ぶりに過去最高を更新した。より悪いことには、当時はインフレが引き続き拡大傾向にあり、政策決定者はインフレの抑制が急務だった。現在はCPIは引き続きマイナス傾向にあり、今年7月には前年同月比1.8%低下した。孫チーフエコノミストは「少なくとも2011年までは、CPIの上昇が政策決定者を悩ます主な問題点になることはないだろう」と話す。
「人民網日本語版」2009年8月26日