中国の60年の経済発展史を振り返ると、自動車産業は目覚しい発展を遂げたといえる。国の政策にリード・支持され、企業の自力更生を図り、困難に耐えて奮闘する中、中国の自動車産業は体制を徐々に整え、国民経済の基幹産業となった。また、国民経済の良好かつ急速な発展にも大きな役割を果たした。
中国自動車産業の発展の成果は以下の通り。
1.産業規模が絶えず拡大
新中国成立から現在まで、中国の自動車産業は長年の発展を経て、産業規模を徐々に拡大してきた。まず一汽の小規模生産が始まり、その後、大量生産を実現、国から資金を工面し二汽を設立、経済のグローバル化が席巻する中で合資経営の動きがあり、中国の自動車産業は栄えていった。生産台数と販売台数も急速に増加し、2002年の中国の自動車販売台数は340万台に達し、前年同期比で42%増加した。2006年の生産・販売台数は720万台を突破し、世界第3位の自動車市場となり飛躍的な進歩を遂げた。
2.産業構造が絶えず改善
自動車業の産業構造はおおよそトラック、バス、乗用車の天下三分となっている。以前はトラックとバスが首位を占めていた。現在の自動車業界においては乗用車が急速な発展を遂げ、生産台数が増加し業界全体を引っ張るだけでなく、技術進歩も加速化し、ニューモデルが次々と発売されている。1957年8月、「紅旗」の高級乗用車が初めてデザイン、試作に成功。12月、洪都機械工場で「東風」の乗用車が試作され、1983年4月11日、「上海サンタナ」の乗用車が初めて上海で組立に成功した。一汽は技術革新とブランド革新をリードし、優れたブランドを次々に立ち上げた。1989年8月、一汽は新たに組立ラインを建設し「アウディ」を生産。1991年12月5日、一汽大衆が生産する「ジェッタ」がラインオフ。1998年9月27日、注目を集める民族ブランド高級乗用車「大紅旗」が登場。乗用車の台頭は、過去のトラックとバスが天下統一していた局面を変え、産業構造は改善された。
3.生産集中度が絶えず向上
中国の自動車産業は、産業集中を強みにしていった。中国には現在、第一汽車集団、東風汽車集団、上海汽車工業総公司など総資産が200億元を超える大型企業グループが3社ある。2001年の資料によると、最大手の上海汽車工業総公司の生産台数は44万200台、上海汽車、第一汽車、東風汽車の生産集中度は48.1%で、2000年より3.35ポイント上昇した。生産台数が20万台以上の4社(上汽、一汽、東風、長安)の生産集中度は57.76%で、2000年より3.19ポイント上昇した。