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ポスト金融危機の時代における成長産業(4) |
発信時間: 2009-08-26 | チャイナネット |
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(4)グリーン製造業 製造業は広範囲にわたり、生み出されるものも鉄鋼・機械・自動車・造船・航空機・宇宙船などさまざまだ。ここで取り上げるのは「グリーン製造業」。「グリーン」とは、資源節約型・環境友好型であること。消耗が少なく排出も少ない産業ならどれも「グリーン産業」と呼ぶことができる。「グリーン製造業」も同じく、低消耗・低排出の製造業を指す。いかなる製造業も、グリーン製造業になる可能性を持っている。グリーン製造業の潜在力が大きい理由は次の通り。 第一に、製造業は、工業化中期段階で主体となる産業だ。中国はまさに工業化中期段階にあり、製造業が大きく発展しているという特徴を持つ。先進国の経験から見ると、工業化の初期段階では一般に繊維工業が主体となり、中期段階では重化学工業が主体となり、後期段階では精密加工業とハイテク産業が主体となる。中国は、重化学工業が急速に発展する段階にあり、重化学工業は製造業の重要部分となっている。国際経済危機がいかに変化しどのような影響が出ようとも、製造業は今後しばらく、中国工業化の中で重要な役割を演じることになる。 第二に、グリーン製造業は、製造業発展の必然的な方向だと言える。農業やサービス業と比べると、製造業の資源消耗は高く、環境への破壊も大きい。13億の人口を抱える中国が重化学工業発展の段階で先進国と同じような工業化の道を進めば、資源や環境への圧力はとても大きなものとなる。この圧力はまさに現在、顕在化している。さらに地球温暖化が問題となる中、省エネ・排出削減とりわけ二酸化炭素排出に対する国際社会の要求はますます厳しさを増している。このような状況に対応するため、中国政府も自主的な一連の措置を取り、グリーン経済・循環経済・低炭素経済の発展の促進に努めている。製造業の発展も、「グリーン」という大枠のなかで進められなければならない。 第三に、国際経済危機は、中国製造業の発展に新たなチャンスをもたらしている。危機によって生き残りを迫られた先進国のメーカーは、中国などの新興国への移転を加速している。中国製造業の地位は今後、さらなる向上が見込まれる。また経済危機は、投資や買収を通じて国際的な産業構造調整に参加し、国際的な技術や人材を利用するチャンスを、中国の製造業に与えている。 作者:国務院発展研究センター研究員 李佐軍 「人民網日本語版」2009年8月26日 |
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