北京市政府新聞弁公室で18日に行われた「エコ北京の環境保護」プロジェクトをめぐる記者会見で、同市の自動車排気ガス排出基準が2012年に引き上げられることが明らかになった。現在は2008年に導入された「国IV基準」が適用されているが、3年後にはより厳しい「国V基準」が実施される予定だ。この動きは急成長する同市の自動車市場に、新たな発展空間を生み出すことになるとみられる。人民日報系の北京紙「京華時報」が伝えた。
同市政府によると、国V基準および関連の製品油基準をめぐる準備はすでに研究・制定作業がスタートしており、3年後の実施に間に合う見込みだ。
同市環境保護局機動車排放(車両排気ガス排出)管理処の李昆生処長によると、新排出基準は欧州の「ユーロV基準」に相当する。欧州では今年9月1日から、最新の基準としてこのユーロV基準が実施されている。北京で新基準が全面的に実施されれば、基準を満たさない車両は北京市内で販売できなくなる。
北京市ではこれまで、自動車汚染を抑制するために国の関連基準を常に前倒しで実施している。1999年には「国I基準」、2002年には「国II基準」を実施し、いずれも全国より2年ほど早かった。その後「国III基準」「国IV基準」も相継いで実施された。こうした動きは北京市の自動車保有台数の伸びに大きな可能性を開いたといえる。
李処長によると、排ガス基準を満たさないことを示す黄色いナンバープレートの車両(黄標車)1台が排出する排気ガスは、国IV基準を満たした車両20台分の排出量に相当する。このため黄標車を淘汰して、自動車の排ガス基準を引き上げることは、大気環境の汚染抑制にとって有効な措置であり、内需の拡大や北京市自動車市場の発展にもつながる。
李処長によると、国V基準の実施に合わせて、同市は製品油の品質を一層向上させ、新基準に合致するようにするとともに、すべての車両で使用可能なものにする取り組みを進めるという。
「人民網日本語版」2009年9月21日