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チベット高原の「牛財神」
発信時間: 2009-10-21 | チャイナネット

 

張春起氏は北京三元集団でチベット地区支援を担当する幹部だ。科学技術を駆使して世界の屋根で大量の牛乳を生産できる「ジャージー牛」をついに育成。難関突破まで実に3年、これで牧畜民が豊かになる希望の扉が開かれた。ジャージーは「財神」(福の神)と親しみもって呼ばれている。

チベットというこの観光の地で、牛乳は貴重かつ希少だ。一般に、牛乳は1キロ10元(約140円)で売れるため、乳牛を飼育して豊かになるのが多くの牧畜民の夢だった。だが、ここは山紫水明でも、乳牛の発育と成長には適していない。この難題を解決しようと、各地方政府は大量の資金を投じて様々な品種の乳牛を導入。だが、それはことごとく失敗に終わった。

張氏は北京農業大学を卒業後、北京三元集団に入社。乳牛業に従事して十数年になった時、首都人民の強い期待を背にチベット当雄県に赴任、ヤク精液凍結センター所長に就任した。

高さと寒さ、酸素不足と寂寥感にさいなまれながらも、それらを克服して膨大な調査・研究と分析を終えた。04年11月、政府の関係機関に「ラサ市当雄県の良質な乳用種の導入及び普及」プロジェクトの事業化調査報告書を提出。国と自治区政府当局、北京市と三元集団幹部の支持を受けて05年農業科学技術普及モデルプロジェクトに指定され100万元の財政支援を受けることになった。資金が交付された06年初めからプロジェクトは実施され、緊張感の中でこれまでに大きな成果を収めてきた。

張氏の弛まぬ努力が実り、ヤクとの交配で76頭のジャージーが順調に誕生。国内の専門家によると、成牛になれば牛乳は年間2000-3000キロと、一般のヤクに比べ10-15倍の生産が見込まれるという。牧畜民にとっては牛1頭あたりの年収は2万-3万元。チベット牧畜区での乳業発展には欠かせない品種になると期待される。

張氏は「チベットの牧畜民一人ひとりの笑顔を目にするたびに、喜びが心の底から湧きあがってきます。チベットの幹部には、自らできることのすべてを尽くしてきましたが、すでにその最高のお返しはいただいています」 と語る。

「チャイナネット」 2009年11月

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