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チベット 察隅農場の「転身」
発信時間: 2009-10-21 | チャイナネット

 

わずか2年前まで、チベット自治区林芝(リンチ)地区にある察隅(ツァオウ)農場は“荒れ地”として知られていた。年金の支払いは滞り、銀行の借入残高は1200万元余り…。

状況が困難な中、平措・農場長は林芝地区行政署に報告書を送り、チベット支援の幹部増派を懇願した。広東省から2名の幹部が到着。農場の職員はドラや太鼓を鳴らしながら鎮(行政単位)まで出迎え、農場の運命を変える期待は彼らに託されることになった。

幹部の黄偉平、彭大栄の両氏は心動かされた。きっとチベットの人々や農場の職員を失望させない! 2人は自らにこんな目標を課した。

半月もならないうちに、彼らは農場の5つの連隊を歩き回り、詳細な調査報告書をまとめた。農場は資源に不足していない。有名な皮の赤い察隅ラッカセイ、さらにトウモロコシにショウガなど、いずれも無汚染の農産品。だが、辺ぴな地で交通が不便なため、販売が「昔から大きなネック」になっている――。深センの光明農場で数年働いた経験のある黄氏は「新路」を思いついた。5万元の資金を募って技術者に農場ネットワークを構築してもらい、外部に農場や農産品の情報を発信するというもの。販売ルートはすぐに開拓された。

かごに集められたラッカセイは、一つひとつ袋詰めにされて「察隅農場落花生」に。「袋詰めする前はわずか500グラム4元、袋詰め後は7元で売れるようになりました。観光客は購入しやすくなり、ブランドも立ち上げました」と黄氏。さらに搾油やトウモロコシ加工、飼料加工工場などのほか、仏ランド産ガチョウ、ブタ飼育場なども建設した。農産品の販路が開けただけでなく、収入増にもつながった。

広東からのチベット支援者が指導する中、農場は喜びそして驚くような変化をとげた。従来からの800万元を超える借金を返済し、職員の年収は1人平均1000元以上も増え、家庭には水道が引かれ、トイレや簡易浴室も設けられ、鎮から農場に通じる道路はすでにスファルトに…。

「チャイナネット」 2009年11月

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