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西部大開発へ強い関心 エコノミスト・宮崎勇氏
発信時間: 2009-10-21 | チャイナネット

 

宮崎勇氏は著名なエコノミストで、経済企画庁長官を務めたこともある。「科技日報」の取材に、宮崎氏は次のように語った――西部大開発は中国の改革開放が発展して迎えた一つの新たな段階である。中国は鄧小平氏が提唱した改革開放政策の下で、この20年余りの間に極めて大きな経済発展を遂げた。中国経済はこれからも発展しなければならず、中西部の遅れた面はどうしても改める必要がある。東部沿海地区の発展も中西部の大開発に大きな力となっている。

さらに宮崎氏は「西部には利用可能な資源が豊富にある。農業や林業、鉱産物などの自然資源ばかりでなく、有名大学は優秀な人材を数多く輩出しており、中西部の経済を発展させる基盤は整っている」と強調。

西部地区をいかに開発するかについて、宮崎氏の提言は非常に貴重だ。

第1に、運輸業の整備を強化する。中西部が立ち遅れ、多くの資源が開発・利用されていない重大な原因の一つは、交通が発達していないことにあり、運輸業は需要に追いついていない。

第2に、情報の有効利用を重視する。中西部が遅れている別の原因として、情報不足が挙げられる。もちろん、情報システムには金融システムも含まれている。社会的資金をいかに調達するか。どのような資金調達が合理的か。生産や原料、消費に関する情報は一括して考慮しなければならない。情報の有用な選別や有効利用が大開発にとって不可欠な条件である。

第3に、大開発を国際化された環境のなかに組み込む。大開発は国際化された環境の中での大開発でなければならない。例えば、陕西省の陸上交通を考える際には、ユーラシア大陸を念頭に入れる必要がある。中西部地区には豊かな観光資源があり、国際化の観点がなければ大開発の成功はないだろう。

第4に、大開発では中国経済の転換を考える必要がある。中西部の大開発は東部の生産に広大な消費市場を提供するため、東部地区は輸出型から内需型に転換しなければならない。こうした転換は大開発を保証するだけでなく、中国経済を総体的に向上させる。

第5に、意識を正し、宣伝を重視し、計画を周到にする。大開発は中西部の経済発展にとって必要である。東部沿海地区はどうして発展できたのか。発展の過程でどんな経験や教訓があったのか。西部地区にはどんな有利、不利な条件があるのか。いかに自らの長所を発揮させるのか。こうした問題について、中西部地区の人は真剣に考え、自らの創造力と奮闘を通じて大開発を達成しなければならない。昆明は世界花卉博覧会を開催したことがあるが、各国各地から観光客が雲集し、彼らは昆明を理解し、昆明が必要としているものを知った。中西部の人たちも自分たちを宣伝してほしい。理解があってこそ、協力がある。さらに開発計画をしっかり制定することが必要である。計画は段階に分けるようにする。例えば5年、10年、20年と、毎年、計画の実施状況を評価し、評価に応じて修正・補充しなければならない。

発展と環境に関し宮崎氏は、環境を犠牲にして発展と交換する道を歩んでならないのはもちろんであり、この面での日本の教訓は非常に大きいと話す。日本は、山林は伐採せず、破壊せず、自然に任せたが、現在は死樹や枯木が公害となっている。環境保護とは決して、消極的になって一木一草動かさないことではなく、環境保護をもって経済の発展を抑え込んでもならない。経済発展と環境保護が互いに補足し合い、有機的に協調するようにすべできある。

「チャイナネット」 2009年11月

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