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チベット支援医師・尹新民さん 酸素パイプ付けながら手術
発信時間: 2009-10-21 | チャイナネット

 

09年の春節(旧正月)が過ぎたばかりの時、チベット山南(サンナン)地区のチベット医院から尹新民さんに朗報の電話が入った。朗報は2つ。1つは、医院の昨年の業務量が07年に比べ30%も増え、しかも順調に推移していること。いま1つは、湖南省人民医院でのチベット医薬外来の開設について協議するため人を派遣することだ。

この朗報は08年のチベット支援の旅に由来する。尹さんは湖南省人民医院の肝臓・胆嚢微創外科の副主任。08年5月24日、湖南省第7陣チベット支援医療隊の隊長として、9名の隊員を率いてチベットのこの神奇な土地、同省の支援担当地区であるサンナン地区を訪れた。

半年の間に、彼が指導するチベット医院の外科は歴史的な大きな成果を収めた。新たに開発した技術は10件超、サンナンひいては全チベットで先進的レベルにある。

チベットに着いたその晩、尹さんは突然、頭痛に見舞われ、呼吸困難に陥り、立っていることもできず、二人の隊員に抱えられながらチベット医院の救急室へ。流量の高い酸素吸入を一週間続けてようやく回復。「こんな形で、自分が支援する医院に来るとは」。そう話す尹さに中年の恥ずかしさがのぞいた。1週間後の6月2日、初めての外科手術を行った。

11月に入ると、酸素はぐんと希薄になる。「手術をする時は、看護士から長さ3メートルの酸素パイプを受け取り、酸素マスクを付けながら、即効性のある救心丸を飲んでいました。手術が終わると、まるで大病でもしたようで、疲れをかなり感じましたが、チベット族の同胞が無事に目を覚ますのを見ると、非常に嬉しかったですね」と尹さん。

チベット滞在中に実施した外科手術は大小合わせて128件。「ミス・事故・併発症・紛糾ゼロ」を達成した。

仕事をしている中で尹さんは、一部の常用血生化検査が手作業で行われ、効率が非常に遅いことに気づいた。また、類似するC型肝炎などの生化学検査はまだ行われていない。チベット族の医師が言っていた倉庫に1台ある機器は、やはり湖南省衛生庁が寄贈したものだった。ずっと使える人がいなかったのだ。尹さんは至宝でも手にしかのように喜んだ。検査科と放射線科の医師と3日3晩苦労して機器を設置し、テストも実施。「以前、ここでできる検査は10項目以下でしたが、今は50項目を超しています。湖南省人民医院ができる生化学検査は、彼らもすべてできるようになりました」。ここまで話すと、彼は相好を崩した。

「チャイナネット」 2009年11月

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