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ASEAN 中日韓との協力が一層進展
発信時間: 2009-10-26 | チャイナネット

▽東アジア共同体、すぐには実現しない

今回の一連の会合では、実行可能な協力合意に多数調印したほか、ASEAN各国がこのたびの金融危機からどのように脱出するかということや国際社会における地位の問題でも合意に達した。山東大学北東アジア研究センターの張東輝主任は取材に答える中で「金融危機により東アジア諸国の結束力は一層強まった。特にASEAN10カ国は中日韓との協力を強化し、国際社会における自国の力を増強することが急務だ」と述べた。

温総理も会合の中で「東アジアは世界経済の発展において最も活力と潜在力とに富んだ地域の一つであり、各国の運命が今日ほど緊密に結びつき、苦楽をともにすることになった時代はない」と述べた。張主任によると、国際情勢からみて、グローバル化の不断の拡大に伴い、地域一体化のプロセスも加速を続けるが、この両者は矛盾しないという。

このたびの各国の協力の内容をみると、東アジアの協力は深さの点でも広がりの点でも新たな水準に達したといえる。特に経済貿易方面での進展により、今後の地域一体化に向けたしっかりとした基礎がうち立てられたといえる。

特に注目に値するのは「東アジア共同体」に対する日本の態度だ。日本の鳩山由紀夫首相は25日、構想段階にある東アジア共同体は世界をリードする存在になるべきだとの見方をふたたび示した。この発言は日本が「10+3」の協力を深めようとする誠意の表れと解釈された。張主任によると、鳩山首相の就任以来、日本には東アジア問題で多くの変化があった。また鳩山首相は「世界経済においてアジアの地位がますます重要になるのに伴い、日本も『脱亜入欧(米)』の夢をみている場合ではないということを認識にするようになった」と述べ、日本もアジアの国であり、アジアの隣国との関係や信頼関係を強化する必要があると再三言及した。

だが張主任は次のように述べた。日本は東アジアの伝統的な経済強国であり、字面をみても、日本が提起した「東アジア共同体」はかつての「大東亜共栄圏」に似ている。今では各国の政治的・経済的地位は大きく変わったが、日本が地域大国となり、東アジアで主導的地位を占めようとする野心には変わりがないのではないか、と。

鳩山首相の構想に対し、温総理も次のような見方を示す。東アジア各国の社会・経済制度はまったく同じというわけではなく、発展レベルにも相違があり、共同体を構築しようとしても、達成は容易ではなく、一定のプロセスが必要になる。また張主任は「今後構築される東アジア共同体は、当然のことながら多方面のパワーのバランスを取った地域一体化組織になる見込みで、欧州連合(EU)とは異なったものになる。内部の経済発展に不均衡があるため、ASEAN10カ国の要請は似通ったものになるが、中日韓3カ国は主導権をめぐって意見が分かれるだろう。またオーストラリア、インド、ニュージーランドが加盟すれば、東アジア地域のパワーの多極化情勢が一層鮮明になる」と述べた。

「人民網日本語版」2009年10月26日

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