上海ディズニーランド建設プロジェクトが正式に国家発展改革委員会の承認を得たことにより、建設期間が10年を上回る超大型プロジェクトが現実のものとして浮上してきた。この超大型プロジェクトが上海経済にもたらす効果は、業界内で極めてホットな話題となっている。「上海証券報」が伝えた。
政府部門の研究報告書によると、年間来場者数を3千万人として計算すると、入場券の年売上額は約60億元にのぼる。これまでのディズニー産業チェーン効果では、入場券1元分によって8元分の消費がもたらされている。つまり、移動、食事、宿泊、観光、ショッピングなど最も基本的な観光消費だけでも、ディズニーがもたらすサービス業生産額は年間480億元に達する計算となる。ここから、旅行、ホテル、飲食、観光、交通など上海の各業界は直接利益を受けることになる。
2001年に米オーランドを訪れ、ディズニープロジェクトを視察した上海の専門家によると、オーランド市政府は1960年代、現地経済を発展させる目的でディズニーワールドの建設を決定、5年後のオープンにこぎつけた。オーランドは瞬く間に、一農業県から重要観光都市への変貌を遂げ、就業人口の80%が直接・間接的にディズニーワールドのサービス業に携わった。オーランドの観光収入は現在、年間100億ドルに達している。同専門家は、「ディズニープロジェクトの全てが全て、大儲けしているという訳ではない。ディズニープロジェクトは、小型で手軽なものではいけないことが視察で判明した。大型の施設であってはじめて、来場者が存分に楽しめ、一定規模の経済を形成することが可能となる。香港ディズニーランドの面積は1.26 平方キロメートル、東京ディズニーリゾートは0.43平方キロメートル、パリのユーロ・ディズニーは1.26 平方キロメートルなのに対し、オーランドのディズニーワールドは111平方キロメートルもある」と語った。
同専門家はまた、「480億元のサービス業収入に含まれるのは、移動・食事・宿泊など最も基本的な直接サービス業のみで、周辺土地や不動産、アニメ漫画などのカルチャー商品、工業増加額は含まれていない。より大きな範囲で見たディズニーの経済効果は、数字化できるものではない。ただ、比較可能なデータでみると、上海浦東新区の2008年GDP(国内総生産)は約3150億元にとどまっている。上海ディズニープロジェクトが完成し、グランドオープンすれば、上海経済に対する貢献度は極めて巨大なものとなる」と指摘した。
ディズニープロジェクトの建設地選定状況によると、上海浦東国際空港の約10キロメートル以内となる見通し。前出の専門家は、「大型バスなら10数分で到着できる場所が条件となる。浦東空港出口からディズニーランド行きバスが出るのがベストだ」とコメントしている。
「人民網日本語版」2009年11月6日