中国は完全に独自の知的財産権をもつ、世界先端水準の石炭化工の鍵となる技術で大きなブレークスルーを果たした。中国工程院院士で清華大学教授の金涌氏はこのほど、人民大会堂で行われた記者会見で、流動層メタノールからプロピレンを生産するFMTP技術の開発成功により、石油を原料としない石油化工技術の道が開かれ、メタノールによる原料の多様化と「石油の部分代替」が実現したと話した。中国の資源確保と国のエネルギー構造調整にとって重大な意義をもつ。中国網が4日伝えた。
このFMTP技術は中国化工集団と清華大学、安徽淮化集団が共同で難関を克服したもの。清華大学の小規模な研究成果を基礎に1万トン規模に拡大して実験を行い、工業実験装置を使って技術パラメータの最適化や触媒寿命、技術設備の信頼性を審査した結果、最終的に1万トン級工業実験装置の技術や環境保護など指標が国内外の最先端水準に達した。これにより次の100万トン級工業化装置の開発に向け技術的な根拠と研究プラットフォームが提供されることになった。
専門家によると、FMTP技術は中国の石炭化工産業の状況に適応した重要な技術のひとつで、この開発成功によって石炭資源を効率よくクリーンに利用し、メタノールの過剰生産を緩和するほか、石油化工産業に結びつき、石炭化工産業の持続的かつ健全な発展を促進するのに重要な役割を果たす。さらに石炭からアルケンを生産する技術の空白を埋めただけでなく、国外による石炭化工における核心技術の独占的局面を打ち破った。石炭化工の生産大国から技術強国への転換は中国に大きな影響を及ぼすことになる。
「人民網日本語版」2009年12月4日 |