長江経済帯は、東は上海から西は重慶に至る経済エリアを指し、上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省、湖北省、湖南省、重慶市の6省2直轄市を含んでいる。長江流域で経済が最も発達し、最も繁栄した地域というだけでなく、全国で最も重要な密集度の高い経済回廊でもあり、経済、科学技術、文化が国内で最も発展した地域の一つでもある。
1990年代に上海市浦東地区の開発や三峡ダム建設プロジェクトといった重大な政策決定が相次いで実施されたことにより、国の関連部門は長江デルタ地域および長江沿岸地域の経済発展に関する戦略構想を発表した。沿岸各省は経済発展の重点を、沿岸の都市・地域に徐々に移すようになるとともに、戦略開発エリアを確定した。「江蘇長江経済帯」「安徽皖江経済帯」「湖北長江経済帯」「重慶長江沿岸経済回廊」などがそれで、国の全体的な発展戦略と呼応するものだ。
このほど閉会した全国政治協商会議第11期第3回会議で、湖北省政治協商会議の宋育英主席は、長江経済帯の新たな開発を国の第12次五カ年計画(2011-15年)に組み込むべきだと提起した。
▽10万トン級大型船が長江沿岸経済を牽引
10万トン級の大型遠洋船が風を受け、波に乗って長江河口に入った今月14日、12年の歳月と150億元の資金をかけた、2つの世紀をまたがる巨大プロジェクト「長江河口の深水水上輸送ルートの整備」が完了した。これにより長江からスムーズに海に出るという、中国人の長年の夢がついに実現した。
ある専門家によると、長江河口の第1期・第2期深水水上輸送ルートが開通する前の5年間、江蘇省の国内総生産(GDP)は累計約800億元増加し、年平均では160億元となった。プロジェクトが直接影響を与える地域(すべての沿岸地域を含む)に与えた経済成長効果(GDPの増加額)は、2006年は2019億元に上り、同地域の経済規模に占める割合は7.3%に達した。
長江河口に位置する江蘇省は現在、沿岸における大開発戦略実施の出発点であり、同省南部・中部・北部間の経済社会発展の大きな格差という現実に対して、南部が中部と北部を牽引し、地域のバランスのとれた発展を推進している。具体的な実施プロセスにおいては、江蘇は資源の共有、連携型の開発、長江をまたがる開発に力を入れ、「南が北をひっぱり、南北がともに発展する」という開発モデルを形成している。