▽大動脈・長江に大きな任務 連携型発展で全体の振興を
湖北省の地図をながめると、長江の同省内の流域距離は1060キロメートルに達し、長江主流の3分の1以上をかかえていることがわかる。長江は大動脈のように東西を横断して流れている。
この大動脈が今、新たな大規模開発のチャンスを迎えている。昨年9月、国務院の「中部地域の開発促進計画」が打ち出され、中部地区に東西南北を結ぶ4つの経済帯、すなわち長江沿岸経済帯、隴海経済帯、京広経済帯、京九経済帯を建設することが提起された。同年7月には、湖北省委員会と湖北省政府が「湖北長江経済帯の新たな開放開発の加速に関する決定」を発表している。
湖北省の各地で行われている大規模な開発建設や長江沿岸の港湾建設が、国内・海外の多くの大手企業を引き寄せており、武漢市だけでも80万トン級のエチレンプロジェクト、中国石化武漢分公司、全国イネ取引センター、武漢鋼鉄(集団)公司の200万トン深加工拠点、神竜汽車などの大手企業が集まっている。
▽長江経済帯でともに舞う重慶、武漢、南京、上海
長江沿岸の重要省・市について、ある専門家は「長江は一匹の竜だ。長江デルタは竜の頭、上海は竜のくわえる珠、武漢などの中流地域は竜の体、重慶は竜のしっぽだ」とたとえる。
ある統計によると、現在の長江流域のGDPは全国の約45%を占め、長江デルタ地域だけで20%を占める。うち重慶は長江上流の経済の中心になるべく力を入れており、武漢はこれまでずっと中流の経済の中心だった。南京は下流で独特の経済的地位と役割をもち、上海は流域全体の経済の先頭を走っている。いいかえれば、これらの4都市で、長江経済の三大エリアの経済的中心および経済のエンジン役をになっているということだ。
特に国の発展戦略が沿海地域から内陸部に移った後、武漢や重慶のような中・西部の長江沿岸都市に発展の黄金時代が訪れた。長江の水上輸送の黄金水道に依拠しつつ、輸出入を拡大し、対外型の経済を発展させることが、武漢や重慶などの内陸都市の新たな発展の方向性となっている。中・上流都市と上海などの下流都市との経済的連携を強化し、産業の分業化をはかり、製品の輸出を拡大し、産業チェーンの結びつきを強めることが、大きな潮流となっている。
「人民網日本語版」2010年3月18日