中欧国際工商管理学院経済学院の許斌主任
人民元の切り上げ要求が高まるにつれ、国内外では中国が日本の二の舞を演じるのではないかとの懸念がされている。これに対し、中欧国際工商管理学院経済学院の許斌主任は、「中国が日本の経験と教訓を生かし、小幅な人民元切り上げと同時に金利の小幅引き上げを行えば、短期的な打撃はあるが、中国経済は後10年の高成長が維持できるだろう」と話す。また、人民元は2~5%切り上がり、第3四半期前に利上げが行われると予想する。
中欧ビジネス教育課程の卒業式で、許斌氏は次のように語った。「中国経済の実力の向上に伴い、人民元切り上げは必然的であるが、人口ボーナス、制度の確整備、マクロ政策の3方面から分析すると、中国が日本の為替改革の二の舞を演じることはない」
「当時、日本経済の成長率が高いが、インフレ率はわずか1%前後と低かった。これは非常に危険な状態だ。しかし、日本の政策決定者は経済は健全だと考え、利上げせず、逆に輸出型企業の圧力を軽減するため、低金利政策をとった。1989年末に日経指数は38916ポイントに上昇し、1991年ごろには日本の地価は過去最高水準に達した。円切り上げと低金利政策は最終的に、日本の資産バブルの崩壊をもたらした。円切り上げと同時に小幅利上げを行っていれば、日本経済がハードランディングとなることはなく、少なくとも困難の中で経済モデルの転換を実現していただろう」