開催中の2010年第11回北京国際汽車展覧会(北京モーターショー)では、後から来て前方に躍り出た感のある中国独自ブランド車が会場に勢揃いし、海外大手メーカー車と同じ舞台で魅力を競い合った。現在、中国の急速に発展する自動車市場に引き寄せられて、これまで並ぶもののない権勢を誇った海外自動車メーカーが中国独自ブランド車に秋波を送るようになり、中国・海外メーカーの合併買収(M&A)や提携などがブームになっている。
昨年来、中国独自ブランド車が相次いで力を発揮し、「ローバー」(栄威)」や「MG」(名爵)が相次いで上海汽車に買収された。2010年になると、吉利がウワバミがゾウを飲み込むようにボルボを買収するという話や、比亜迪がダイムラーと電気自動車を共同開発するという話などが、絶えず聞こえるようになった。後発組ながら中国自動車の勢いは軽視できない。
▽ボルボと吉利 比翼で飛翔
今回の北京モーターショーでは、吉利に買収されたボルボが重要級の新車「S60」と電気自動車「C30」が出展された。その隣に位置する吉利の出展テーマは「技術の吉利」で、展示面積は今回のショーでの最大を記録した。展示ブースでは、吉利傘下の三大ブランド「帝豪」「全球鷹」「英倫」の展示エリアが、安全、エンジン構造、新エネルギーという三大テーマのパブリックスペース部分との間で相乗効果を上げ、中国自動車産業の突出した革新力、科学技術力を際だたせる形となった。
今回のショーではフェラーリ、ポルシェとともに世界三大スポーツカーメーカーと呼ばれる英国のロータスが中国の青年汽車集団と初めて共同で製造した中乗用車「ロータスL5」(蓮花L5)がお目見えし、海外の高級車が並ぶE4館が一躍、中国独自ブランド車の実力を示す場所になった。ロータスL5の発表式には、青年汽車集団董事局のホウ青年主席とロータスのトップがそろって出席。同車は英国ロータスが新たに全面的に研究開発した国際基準の中級車で、独特の外観を備え、技術含有量は高い。
青年汽車とロータスは今後、より密接な戦略的協力を進める予定だ。今回のショーの期間に行われた両社の戦略協力合意調印・プレート授与式では、今後の新車「ロータスL6」「ロータスL7」の戦略開発計画も初めて発表された。青年汽車は今後も世界トップレベルのハイエンド技術を備えた自動車を相次いで打ち出す予定という。