万博は世界経済を不景気から抜け出させる重要な役割を演じ、世界経済全体の力強い推進力となることから、「経済オリンピック」ともいわれる。184日間にわたる上海万博が開幕し、246の国と国際機関が最終的に出展した。参観客だけでも7000万人に達すると見込まれる。万博という盛大な経済の祝宴が幕を開け、この「ケーキ」にありつこうと各業界が虎視眈々と狙っている。
▽直接収益:運営収支のバランスに問題なし
政府統計によると、上海万博の総投資額は286億元(うち永久保存パビリオン、インフラ施設、万博村、電力改造などを含む建設投資が約180億元、運営投資が約106億元)。一方、万博の直接収益は入場券、国内外企業による後援、万博グッズの売上など。
上海万博事務局の黄輝誠顧問は昨年、「万博の運営に必要な資金106億元は、入場券収入が50%以上を占め、次にスポンサーやグローバルパートナーからの後援、そして万博グッズの売上高50億元で賄う」と語った。
今年4月8日に上海市政府新聞弁公室が開いた万博知的財産権に関する記者会見で上海万博事務局の責任者は、「上海万博は13の提携パートナー、14のハイレベルスポンサー、29のスポンサーから70億元の後援を受けた」と紹介した。
この数字をまとめると、万博の運営部分の収支バランスに問題はなさそうだが、建設投資をいかに回収するかに課題が残る。
上海財経大学万博経済研究院の陳信康院長は、万博の経済効果を「北京五輪の3.49倍」に相当する794億7700万元とし、さらに468億6400万元の消費増加も見込めると予測する。特に飲食業やショッピング、エンターテイメントなどの業界で万博観光客の消費が高まるという。
▽小売経済:消費が新たに1千億元増加?
中国国際金融有限公司の推測では、万博観光客7000万人のうち、地元市民が30%を占め、外からの観光客が4900万人近くになる。ゴールデンウィーク期間中の上海の1日当たりの消費を760元/人で計算すると、万博観光客は少なくとも平均3日は上海に滞在するだろうから1117元/人の新たな消費をもたらす計算になる。これは08年の上海の社会消費品小売総額の4分の1に相当する。
申銀万国証券の報告でも、万博の観光客が上海の小売を直接けん引するとし、1人当たり平均3日の滞在日数で見積もっても、上海では消費が新たに2500億元以上増加すると予測する。なかでもショッピング消費は525億元、飲食消費は630億元にのぼる見通しだ。
「人民網日本語版」2010年5月4日