欧州債務危機の中国への影響はいかほどか

タグ: ギリシャ 中国 影響

発信時間: 2010-05-12 10:53:37 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、西側主要国の中央銀行が団結して欧州の債務危機に対策を講じたとしても、その効果はまだ観察の必要がある。国際金融危機の影響がまだ完全になくなっていない中、欧州の債務危機、それにより発生した先進国の信用リスク上昇と世界金融市場の新たな動揺は中国経済にどのような影響をもたらすだろうか。

中国にとって、今回の危機による直接的影響は限られているが、間接的影響を甘く見てはいけない。

全体的に見て、中国が保有するギリシャの国債と金融機関の資産は限られている。そのため、ギリシャが債務不履行に陥っても中国への直接的影響は大きくない。当然、ギリシャの債務危機が食い止められず、ポルトガルやスペインなどその他の欧州諸国にも影響が及べば、中国のリスクは必然的に拡大する。

直接的影響より、ギリシャの債務危機が中国にもたらす間接的影響にさらに注意する必要がある。欧州委員会は先日発表した春季経済見通しで、ギリシャの債務危機とユーロ圏諸国の財政悪化がEU経済の回復を脅かす主な要素となると指摘している。EUは中国の最大の輸出市場であり、回復の勢いが衰えたEU経済が今回の債務危機により困難に陥れば、中国の輸出情勢はさらに複雑となる。

債務危機の影響を受け、ユーロの対ドルレートはここ数ヵ月上下を繰り返しながら下落しており、過去1週間で約4.3%下落し、14ヵ月らいの最安値をつけた。ギリシャの債務危機の「副産物」として、ユーロが下落し続けることはユーロ圏諸国の輸出拡大にとっては好材料だが、中国製品の欧州市場での競争力は低下する。近ごろ、人民元の対ユーロレートは大幅に上昇し、中間値で計算すると、半年で10%以上の上昇となった。これにより、中国の欧州への輸出はより深刻な状態となっている。

そのほか、欧州経済の見通しが明るくないため、多くの遊休資本が中国などの新興市場に流れ、それにより人民元切り上げ圧力と中国経済の過熱リスクが高まると予想するアナリストもいる。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月12日

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