都市鉄道交通への巨大投資 鉄道装備メーカーおよびセキュリティ関連製品メーカーにチャンス到来
都市鉄道への巨額投資は、建設の融資側にとってはチャレンジであるが、関連製品、関連サービス業にとっては大きなチャンスをもたらすことであろう。簡煉副総経理が述べた「鉄道交通装備の国産化によって投資額および運営コストが大幅に低減できる」という内容は、国内の鉄道交通装備のメーカーにとってはよいニュースであることは間違いない。
都市鉄道車両を例に挙げると、現在、この業界は技術的な問題から、市場シェアの95%以上が、中国南方機車車輌工業集団公司(中国南車集団) および中国北方機車車輛工業集団公司(中国北車集団)が占めている。今後、この2大メーカーの競争が激化するものと思われる。国内の鉄道交通への巨額投資は始まったばかりとはいえ、この2大メーカーはこれまで独占市場のうまみにあずかってきた。例えば、中国北車集団の2009年度決算報告によると、主要製品の売上高のうち、動車組(中国版新幹線)の売上は2008年度に集中しており、2009年度は顕著に減少しているため、動車組販売業務における売上収入は前年同期比5.75%減となっている。だが、同時に、都市鉄道交通車両の売上収入額は前年同期比31.57%増となっており、動車組販売減の損失を補っている。
鉄道交通装備のほか、セキュリティ関連製品の市場ニーズも期待されている。同済大学鉄道・都市鉄道交通研究院の孫章・博士指導教授によると、現在、北京・上海・広州の3都市の、1日当たりの地下鉄乗客数の最高値は、順に延べ646万人、延べ581万人、延べ439万人となっており、旧正月の帰省ラッシュ時の中国全土における1日当たりの鉄道乗客数に相当する。これほど輸送密度が高い中で、万一、事故が発生した場合、どのような結果になるか想像に難くない。このため、セキュリティ管理は地下鉄運営管理において、最重要項目になっている。
中国セキュリティ製品業界協会の柳暁川理事長によると、鉄道交通セキュリティシステムは主に、画像情報監視システム、出入り管理システム、改札システム、警報システム、鉄道車両セキュリティシステム、危険物品点検廃棄設備などが含まれる。現在、中国の鉄道セキュリティ事業が重要視している分野は、探査技術の集積化および立体化、画像情報のデータ化および高画質化、トランスファーシステムのネットワーク化、および管理のインテリジェント化である。この分野に合う会社や製品は、将来の都市鉄道時代に大きく発展する可能性が高いといえる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年5月28日