今回の観光業界の大会では、国外旅行一億人、国内旅行一億人とかいうことが打ち出されているが、国内旅行のみについて言えば、上手にアレンジすれば、もっと伸びる可能性もあるのではないか。
さいきん、中国の温泉についてのガイドブックを目にしたが、中国にもかなりの温泉があることを知った。ただ、中国の温泉浴は日本の温泉文化とかなり違っており、どちらかと言えば、ヨーロッパのクアハウスに近い存在であるので、日本人の考えている湯治とか湯浴みという文化とは異なってはいるが、保養施設としては大いに楽しめる。
観光業を一大支柱産業にするビジョンがこの会議で打ち出されたわけだが、中国人記者のインタビューに対して、外国の関係者は、中国の観光資源の豊かさ、観光インフラの整備状況の改善に触れるとともに、人材の育成について指摘していた。語学力のある人はいるが、中国の文化、諸外国の文化との比較などより深い知識を身につけた人材の育成の必要性を強調していた。
私見ではあるが、国外観光客を呼び込むためには、国外の人たちの多様な価値観にも配慮することを考えねばならないのではないだろうか。たとえば、「赤色革命ゆかりの地への旅」とかいうネーミングは、いっそのこと「中国現代史ゆかりの地への旅」にしてはどうか、ガイドさんに中国人観光客と区別するようにさせてはどうか。「赤色」という修飾語は国内の青少年の教育のためには必要かもしれないが、外国人にとって「中国現代史の旅」ぐらいでよいと思う。中味は同じものなのだから。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月3日