国家税務総局はこのほど通知を出し、高額所得者に対する個人所得税の徴収・管理を一層強化するよう各級税務機関に求めた。特に資産の譲渡所得、利子所得、配当所得、事業所得といった高額所得者の主要な所得項目に対する徴収管理を強化するよう求めている。
同局の責任者はメディアの取材に応える中で、ここ数年来、中国では都市部・農村部の個人所得の水準が上昇を続け、個人所得の格差拡大の問題が社会的問題となっている。税務機関はさまざまな措置を取るが、高額所得者の収入源は一様でなく、所得の形式も多様であることから、個人所得税の徴収管理がますます難しくなっている。
南開大学経済学院の馬蔡シン副教授(専門は財政・税制)によると、同局がこのたび通知を出した主な目的は、高額所得者の脱税を厳しく取り締まって、所得格差を縮小し、所得分配における税収の調節作用を発揮させるのが目的だ。だが通知の具体的な効果については検討の余地があるという。
今回の通知で重点徴収対象とされた5タイプのうち、4タイプは給与所得以外の所得を得ている人々で、資産の譲渡所得、配当所得、個人事業所得などが主な収入源だ。ある関係者によると、今回の政策が打ち出された背景を考えると、通知の主な目的は給与所得以外の高額所得者に対する徴税を厳格にして、投機的な目的を抑制するのがねらいだという。
*シン:「王偏」に「深」の旁
「人民網日本語版」2010年6月10日