中国人民銀行のスポークスマンはこのほど、国内外の経済・金融情勢と中国の国際収支状況に基づき、中国人民銀行は人民元為替相場形成メカニズム改革をさらに推し進め、人民元為替相場の柔軟性を高めると発表した。人民元の対ドルレート仲値は前取引日と比べ変動はなかったが、中国人民銀行がさらなる為替相場改革の推進を発表したため、今後の人民元の動きに対する注目が高まり、21日午後2時には1ドル=6.8113元に小幅上昇した。国際金融報が伝えた。
交通銀行の連平チーフエコノミストは、将来的に人民元には次の3つの傾向が見られると予測する。まず、為替相場変動の柔軟性が今よりも向上する。次に、市場の供給関係に伴う変化により値上げと値下げの構造がより強化される。第三に通貨バスケットをより参考にした調整が行われる。
これまで市場で議論されてきた人民元値上げについて、連氏は「今の国内外の経済環境をみると、人民元が一度に大幅に値上がりすることはない。一般的には、増え続ける巨額の貿易黒字が一国の通貨値上げの主な要素になるが、中国の貿易黒字額は毎年1千億ドルずつ減少しており、今年はさらに黒字が縮小する見通しだ。また、中国の輸出入は過去数年間に比べ均衡が取れてきており、昨年の経常黒字の対国内総生産比は5.7%で、例年より著しく低下した。商務部は今年はこの比率が3-4%にまで低下し、経常収支差額の対GDP比は-5%から5%という貿易の均衡の取れた状況に近づきつつあると指摘する。
「国際収支の巨額のダブル黒字(経常収支と資本収支の黒字)がバランスの取れた状態に近づきつつある。この経済情勢の変化は、人民元の大幅値上げの可能性を徐々に下げている」と連氏は語る。
「人民網日本語版」2010年6月22日