秘訣その四:底値買い
底値買いは投資家にとって当然の投資手法である。しかし、投資行為を始めた後に、つい欲が出て当初の考えと異なる方向に舵を切る人が多い。底値買いは誰もが欲しがる究極の投資技術だが、いかにして買いどきを見つけるかは誰しも頭を悩ませる問題である。
ロジャーズは、一見したところ望みのない瀕死状態の企業を投資対象にあえて選ぶことを得意とする。彼が以前調べた統計データによると、株が下がるところまで下がって、これ以上下がりようがないというときに、たいてい当該業界株価の反発が起こるという。例えば、ある業界の大企業数社がみな損害を出したとするならば、その業界自体が消滅でもしない限り(その可能性はゼロに近い)、業界全体が調整期に入り、経営環境も徐々に上向いてくるはずである。これが株価反発の時期である。
ベアマーケットでは、株価はまず合理的な価格まで下落した後、さらに容赦なく底の底まで落ちていく。最終的に奈落まで沈んで「ただでも買う者なし」の半死状態となる。この時期、市場は全く人気がなく、投資家たちはみな焦って売り切ろうとしている。しかし、ずる賢い投資家にとっては、この時期こそが参入を考える好機なのだ。