香港上海銀行(HSBC)がこのほど発表したアジア太平洋地域の富裕層に関する調査の結果によると、大陸部の富裕層が最も年齢構成が若く、平均年齢はわずか36歳だという。また保有する流動資産は一人あたり平均86万元を超え、リスクを犯すことを好む傾向があり、過去1年間に行った一人あたりの平均株式取引額は253万元に達したという。「人民日報」海外版が伝えた。
▽大陸部富裕層は若くてリッチ
同調査は今年2月から4月にかけて行われた。対象地域は大陸部、香港地区、台湾地区、シンガポール、インド、インドネシア、マレーシアなどで、大陸部では50万元以上の流動資産を保有する層が調査対象とされた。
発表された結果をみると、アジア太平洋地域の新興市場では富裕層の年齢が若年化する傾向にあり、平均年齢が一番若かったのは大陸部で36歳、次はインドの38歳、さらにインドネシアの39歳と続いた。一方、アジアですでに発展を遂げた都市の富裕層はこれより高齢だった。香港の平均年齢は48歳で大陸部より12歳年長となり、シンガポールは44歳、台湾地区は43歳だった。
大陸部の富裕層は若いが相当の資産をもっている。流動資産の一人あたり平均保有額は86万元に達した。他の新興市場をみると、インドは59万7千元、インドネシアは42万元、マレーシアは38万7千元で大陸部に及ばなかった。とはいえ、大陸部は香港地区、シンガポール、台湾地区などのすでに発展している都市には及ばない。香港地区の平均は205万元、シンガポールは125万元、台湾地区は106万元だった。
▽中国人は株式・外為投資が好き
中国人は貯蓄好きとみられているが、中国人富裕層の資産配分をみると、預金データは各調査対象の中で最も低く、株式や外貨資産を最も好んでいることがわかる。たとえば香港地区の回答者のうち87%が株式投資を行い、大陸部では71%、台湾地区では70%が株式投資を行っている。この割合がインドでは60%にとどまり、シンガポールは39%、マレーシアは30%でいずれも半数に満たない。