各項目のデータをみると、大陸部の富裕層の資産配分は比較的バランスが取れており、流動資産の約60%が貯蓄、残りの約40%が投資となっている。このうち29%が株式に、10%がファンドに投資されている。インドネシア富裕層の資産配分をみると、流動資産の95%が貯蓄で、残りのわずか5%を投資に回しているに過ぎない。取引量をみると、大陸部富裕層が過去1年間に行った株式取引額は252万9千元、ファンド取引額は20万5千元で、いずれも最も少なかったインドネシア富裕層の5倍以上に相当する。
株式のほか、中国人富裕層は外貨の保有を非常に好んでいる。外貨預金の保有率は香港地区が56%、台湾地区が32%、大陸部が21%だ。他の市場ではシンガポールが19%とやや高いほかは、マレーシアの2%、インドネシアの6%など相対的に低い。
▽大陸部富裕層はますます慎重に
株式取引額が高止まりすると同時に、大陸部富裕層はリスクを好む傾向でも各調査対象中のトップだが、過去6カ月を振り返ると慎重になっている様子がうかがえる。調査によると、大陸部富裕層が投資を行うとき、元金保証を気にかける人は19%にとどまり、ある程度のリスクを受け入れるとした人の割合が66%に達して、他の市場を上回った。また高いリスクを受け入れてもよいとする人が15%に上った。このため14%の人が債権投資を考えていると答え、8%はすでに行っている債券投資を買い増したいと答えた。
投資に慎重になるにつれて、大陸部富裕層の約7割が過去半年以内に資産を増やした。また約2割が過去半年間、資産に変動はないと答え、資産が減少した人はわずか11%だった。
その他の調査対象となった市場をみると、マレーシアの富裕層は資産の伸びが速く、約6割が資産が増えたと回答した。シンガポールではこの割合が52%に達し、インドネシアでは51%に達した。
「人民網日本語版」2010年7月15日