下半期も利上げの可能性
6月のCPIは前年同期比2.9%の上昇だった。上半期のCPIは2.6%の上昇で、単月の数値をみると、5月が3.1%と3%のインフレ警戒線を上回っただけで、他の月はいずれも警戒線以下だった。このためインフレ圧力は若干低下したが、実質的なマイナス金利はいまなお存在する。したがって専門家は、インフレ圧力は依然として軽視してはならず、下半期も利上げの可能性を排除することはできないとの見方を示す。
李慧勇氏は「経済の正常化にともなって、利上げの必要性と確率は大幅に下がっているが、利上げの可能性は依然として排除できない」と指摘。その主な原因は実質的なマイナス金利の構造により人々の預金が他に流れ、銀行の正常な資金源に影響を与えるため。こうした状況においては、非対称利上げ(貸出金利と預金金利の引き上げ幅を一律にしない)によって人々の預金を安定させることができるという。
ANZの研究チームも、下半期に金利調整が行われる可能性は依然として高いとの見方を示す。上半期は「数量の緊縮」によって流動性を明らかに収縮したが、強力な需要を抑制することはできず、インフレリスクを根本的になくすことは難しい。実質的なマイナス金利が存在するため、預金者は資産を不動産などの高収益が見込める投資手段に投入することを余儀なくされ、このために一定のバブルリスクが生まれる。
劉利剛氏は「下半期は中央銀行の満期手形の量が減少するため、中央銀行の数量調整の中での流用空間もある程度制限される。通貨政策の操作方法も調整しなければならない」と述べ、中央銀行は金利手段を利用して実質的なマイナス金利の問題を調整・解決し、投資マージンによってもたらされる投資のミスマッチを解決し、根本的に不動産市場の熱を下げなければならないと指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月19日