米財務省が16日発表した報告によると、中国は5月に保有する米国債325億ドル分を放出した。年初以来最大規模かつ12カ月ぶりの大規模な放出となったが、中国は引き続き世界最大の米国債保有国の地位を明け渡してはいない。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
同省がまとめたデータによると、5月末の中国の米国債保有額は8677億ドルで、前月末比325億ドル(3.6%)減少した。今回の放出により中国の米国債保有額はふたたび9千億ドルの大台を割り込むことになった。
2009年5月からの一年間に、中国の米国債保有額は前月比マイナスが6回、同プラスが
5回、同横ばいが1回だった。うち09年8月に一年ぶりで34億ドル分を放出し、09年11月から2010年2月にかけては4カ月連続で放出を行い、中でも09年12月の放出額は342億ドルで年初以来最大規模となり、半年ぶりに保有額が9千億ドルを割り込んだ。
米国債の世界2位の保有国である日本も、今年5月に88億ドル分(1.1%)を放出し、保有額は7955億ドルから7867億ドルに減少した。
国家外匯管理局は今月7日、中国は一貫して外貨準備は責任を負った長期的投資であると強調し、中国にとって外貨準備が「切り札」あるいは「原子爆弾」になるのではないかとの懸念は不要だとの見方を示した。また同局は海外で高い関心を呼んでいる米国債の買い増しや放出について、米国債の保有は市場における投資行為の一つであり、買い増しや放出は通常の投資操作なのであり、政治的な読みをする必要はないと強調する。
「人民網日本語版」2010年7月19日