サムスンの冷蔵庫 |
国内の家電市場はこのところ、パナソニックのリコール(回収・無償修理)問題で大騒ぎだ。「中国工商報」が伝えた。
パナソニック中国は4日、一部の冷蔵庫の部品に不具合があることがわかり、36万台の冷蔵庫をリコールすると公式サイトで発表した。回収台数が多いため、同社は1千人以上の修理工を手配し、36万個の部品を緊急発注した。ところがこの発表から数日間、リコールに関する問い合わせを受け付けるホットラインはなかなか通じないばかりか、各大手家電販売店から消費者に修理に関する告知はなく、消費者が自ら問い合わせするほかない状況となっている。これに対し消費者の不満は広がり、パナソニック中国の城坂俊郎董事長は、「問い合わせの電話がこれほどあるとは思わなかった。これからホットラインを増設する」とコメントした。
パナソニックは突発的な大規模リコールに対応する緊急措置を設けておらず、これだけの製品をリコールする十分な準備ができていないとアナリストは指摘する。
中国では近年、外国の家電製品の品質やアフターサービスなどに対するクレームが増えている。
昨年は東芝の液晶テレビの画面に線が入るとして、国内各地から消費者のクレームが相次いだ。この欠陥に気づいた消費者は返品を強く要求したが、東芝の回答は返品ではなく交換するというものだった。しかも交換した新しいテレビの価格は消費者が購入した価格よりもずっと安くなっている。東芝のこうした対応に対し、消費者には不満が広がった。この問題は日本製家電の品質への信頼を失墜させることにもなった。
その後、サムスンの冷蔵庫も使用中にドアが外れたり、爆発の可能性があることがわかり、世界で問題の冷蔵庫のリコールが行われた。サムスンは昨年末、爆発の可能性がある6タイプの冷蔵庫を3万2千台、中国で回収・修理したと発表した。これは欧米や日本より10日も遅れての正式な発表だった。それまでサムスンの中国法人は中国でのリコールに関して一切触れることはなく、中国の消費者やメディアの強い催促で、ようやく中国の消費者にも同じ対応が施されることになった。このほかにも、国内ブランドの冷蔵庫は保障期間が3年あるのに対し、サムスンの冷蔵庫は1年しかない。こういったことが、外国の家電製品の品質やアフターサービスに対する信頼失墜につながっている。