困難な回復状況の中で、今回のフォーラムが開催されたことは、各国の精鋭が世界的な経済危機にどのように対応し、経済回復の持続可能性を確保するにはどうすればよいかを話し合う好機だといえる。夏季ダボスフォーラムの一番の主役は、かねてより世界で新しく生まれた成長型の企業であり、こうした企業は世界の科学技術革新の主力であり、雇用機会や経済成長の重要な源だ。今回のフォーラムには世界の成長型企業約200社の代表が出席し、各国の政界のリーダー、学術関係者、民間団体の代表らと対話を進めている。対話の中で、各国が経済の難題に対応するための新しい考え方が見いだされるかどうかに、期待が集まっている。
WEFのクラウス・シュワブ会長によると、現在、各国政府が経済発展に際して直面する最も重要な課題は、エコロジーに配慮した、持続可能な成長をいかにして達成するかということだ。長期的にみて、グローバル経済の成長は経済刺激政策に依拠して長く続くことはあり得ず、ただ科学技術の革新とエコロジカルで持続可能な発展方式を方向性とした経済・社会のモデル転換によってこそ、経済成長に着実で長期的な推進力を与えることが可能になる。今回のフォーラムが景気回復が困難に差しかかっている時に持続可能な発展という理念を打ち出したことは、世界経済において科学技術やエコ経済が新たな成長点を獲得することが極めて重要であることを人々に提唱するねらいがあるとも考えられる。
会期3日間の夏季ダボスフォーラムは、世界の経済問題を解決する妙薬をおそらく発見できない。だが心を落ち着けて今回の「さまざまな考え方が飛び交う宴」で打ち出されるさまざまな理念や声を聞いていると、人類の経済・社会の発展という長期的な福祉が非常に重要であることがわかってくる。
「人民網日本語版」2010年9月15日