人民元の安定維持こそ世界に寄与
ストロスカーンIMF総裁は今回の年次総会で、「通貨システムの安定は極めて重要だ」と強調し、今後、通貨システムの安定に重要な米国、イギリス、ユーロ圏、中国と日本への監視を強化するとした。
中国が現在行う経済構造の調整は、過渡期を必要としており、人民元相場の安定を維持することが不可欠になっている。多くの学者は、仮に多くの国が米国と一緒になって人民元に圧力を加えれば、必然的に世界の経済回復を損なうことになるとの見解を示している。米国の経済回復が遅れていることが世界経済回復の足を引っ張るなか、世界経済回復のけん引役の中国経済に「意外」が生じれば、世界経済回復プロセスに新たな影を落とすことになるからだ。これについても今回の年次総会で意見が一致している。
世界銀行のゼリック総裁は、人民元の切り上げは世界貿易の不均衡を解決する「特効薬」ではないと強調する。
復旦大学経済学院の孫立堅副院長は『国際金融報』の取材に応じた際、人民元の大幅切り上げが世界の経済回復を救うという発想は誤りだとの考えを示している。中国は米国と一緒にナンセンスな「誤り」を犯すべきではない。世界各国が競い合って自国通貨を切り下げる今、中国が人民元の切り下げを行わないこと自体、世界経済に対する責任ある姿勢である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月11日