最後に、現在は日本がTPPに参加するのに重要な時期である。これまでの3回の交渉では枠組み協定や、執行中の自由貿易協定との関係が主に話し合われ、農産品や繊維製品、労働者の保護、政府調達、知的財産権の保護など実質的な項目の話し合いはまだ行われていない。この時期に参加すれば、具体的な項目の話し合いに直接参加し、自国の利益を保護することができる。ところがこの時期を逃せば、新参者はすでにまとまった項目や案文に従うしかなく、選択の余地はなく、受け身になる。
日本のTPP参加意向は交渉を複雑にするに違いない。交渉はこれまでの米国のその他7カ国に対するものではなく、米国と日本の駆け引きになるだろう。世界一と世界3位の経済国である両国の貿易の利益と要求には大きな差があり、交渉は複雑さを増すと考えられる。
そのほか、日本がTPPに参加すれば、TPPの引き付け力は大幅に増加するだろう。マレーシアがTPP参加を表明したほか、すでにタイ、フィリピン、カナダなども参加意向を示している。日本はドミノ効果を引き起こし、アジア太平洋諸国は参加を競うことになり、アジア太平洋のその他の国は関心を高め、対策を練る必要がある(作者は中国太平洋経済協力全国委員会事務局長の呉正竜氏)。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月1日